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交通信号工事技術の向上を目指して

01理事長挨拶

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理事長 大塚 勝弘

 この度、上高家前理事長の後任として、本協会理事長に就任いたしました(株)都市交通テクノロジーの大塚勝弘でございます。私にとって重責ではありますが、本協会の発起人の一人として協会を立ち上げ、運営の一角を担ってきた経緯からお受けすることとなった次第です。
 本協会は設立15年を迎えますが、設立以来、交通信号施設に関わる公共工事の品質向上に取り組み、また本邦初となる交通信号工事に関わる各種技能検定制度の発足、各種の技術講習などを行ってきたところです。
 私が交通信号業界に入りました1967年は「交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法」が施行された三年目にあたり、いわゆる交通戦争といわれた交通事故多発を受け、国を挙げて交通事故防止に取り組むこととなった時期でありました。以後、様々な新技術が導入され機械式の信号制御機から電子式制御機へ、定周期式信号制御からコンピュータ制御へと変革が行われた時期でありました。また、交通信号工事においても信号制御機能高度化に伴い単純な信号機設置工事から多様な機器設置工事が求められ、これに応じて技能向上が図られ、今日に至っています。
 昨今では日本経済の停滞を受け、交通信号工事予算の減少傾向にある現状は、活気ある交通信号業界を知る者の一人として一抹の寂しさを感じているところです。しかし、交通信号施設は道路交通機能維持に不可欠なもので、今後、一般道路において自動運転が実現されても、そこには歩行者がおり、また自転車等の様々な軽便な乗り物があり、交通信号施設の必要性、重要性が変わることはありません。
 今後、益々のIT社会の進展に伴って交通信号施設も変革を求められ、我々が行う交通信号施設工事も、これに対応していかなければなりません。
 交通信号施設に関わる公共工事は社会基盤を支える必要不可欠なものであり、我々もこれら事業に携わる社会的意義を自覚し、これらを通して社会貢献していく気概と誇りをもって、また現場でこれらの業務に実際に携わる従事者であるエッセッシャルワーカーの皆様を支えていく環境創りに努めていきたいと思います。
 交通信号業界を取り巻く環境は楽観できるものではありません、また平坦な道ではないかもしれません。しかし我々交通信号工事業界の健全な発展が社会貢献に通ずる道であることを肝に銘じ、協会運営にあたる所存であることを申し上げ、私の就任のご挨拶といたします。

02協会設立趣意書

交通信号施設の工事は、土木工事、電気工事、通信工事等の幅広い施工技術に加え、交通信号機や道路標示の運用が交通流に及ぼす影響についての交通工学分野の知識等も求められ、経験とノウハウが集積された極めて高度な工事と言っても過言ではありません。

また、交通信号機の運用停止を最小限にするための高度な活線工事の技術は、現場の交通に与える影響を最小限に抑え、道路交通の安全と円滑の確保に大きく寄与してまいりました。

ところで、近年、交通信号機に接続する設備はますます複雑・多様化し、かつ施設が過密化した困難な条件の下での工事が増加しており、施工の安全性と確実性、そして効率性を高めるためには、施工技術の一層の向上が必要となっています。

また、都市美観対策や地球環境対策の面においても、交通信号施設工事業界の果たす役割はますます重要性を増しています。

そこで、交通信号施設工事業の団体として業界自身が強力かつ自主的指導性を発揮し、今後更に高度化されて行く社会的要求に対処し得る業界の中心的な機関として、交通信号施設工事技術の向上に関する事業のほか、交通信号施設工事業界の社会的地位の向上と健全な発展に寄与する事業なども行い、もって道路交通の安全と円滑に寄与することを目的として、志を同じくする交通信号施設工事業者が相集い、一般社団法人交通信号工事技術普及協会を設立するものであります。

(本協会は、令和4年6月9日に一般社団法人全信工協会へ名称を変更しました。)